ボランティア希望のみなさまへ Catia代表の永岡督世について

動物保護で重視するのは「人」 野良猫保護活動団体Catia代表 永岡督世(ながおかあつよ)

Catia代表 永岡督世(ながおか あつよ)
Catia代表 永岡督世(ながおか あつよ)近影

「人を見た目で判断してはいけません」
まるで小学校で先生に言われるような内容だが、彼女の場合は先生に言われなくても、いや第三者に言われるまでもなく、直接話せば人を見た目で判断することの過ちに万人が自ら気が付くことになる。

彼女、永岡督世とのファーストコンタクトは、名古屋市内の閑静な住宅街にある小さなカフェだった。

はじめまして、の時の第一印象は「水商売っぽいけど、この人を手伝って大丈夫か?」という、シロかクロかで言うと限りなくクロに近いグレーに見えた。その色感覚は、彼女と5分間話しただけで見た目で判断することの過ちに自ら気が付く。それも、彼女はシロどころではなく、透明で色も付かないまぶしいクリアだった。ただし、万人受けする範疇と断ってはおくが、キャラは濃い。特濃ホワイトと言ってもいい。

ボランティアに興味があって、どんなボランティアの募集があるのだろうと眺めていた広告掲示板のジモティーで、

「動画やウェブサイト、SNSで情報発信するお手伝いしてくださる方を募集します 」

との募集を見つけた。問い合わせメッセージを送ってみると「直接お会いしてお話したい」「私の人となりを分かった上でボランティアをしてくれるか決めて欲しい」と返事が返ってきた。

そのボランティアを募集していた人物、永岡督世に直接会った時が、冒頭の話だ。

永岡はとにかく、芯が強い。そのくせ気配りがさりげなく上手い。この人にならついて行っても絶対迷わない、と思わせるだけのリーダーとしての魅力を備えている。
ところがパーフェクトかというとそんなことは全くなく、世間的に情報社会を生きてくためには必要なテクニックと言われて久しいITデバイス系の知識が、ない。壊滅的と言ってもいい。PCの起動はできるが、ポップアップ画面にメッセージが出てきただけで何をどうすれば良いのかまったく分からなくなって途方に暮れるという、いわゆるIT音痴だ。

そんな永岡が掲げる目標が、「保護猫シェルターを建設するためにウェブを活用して資金を集めたい」だった。

ボランティアが必要だという自己分析

IT音痴の永岡が、動物保護活動のPRのために動画を作成してYouTubeを通じて世間にアピールしたいという。SNSやウェブサイトも活用するという時点で永岡は独力で成し遂げることは不可能だと判断した。もともと動物保護活動をしている人たちはボランティアで構成されていることが多い。だから永岡も、協力者をボランティアで募集することにした。適切な自己分析の結果導き出した、目標へ到達するための最短ルートである。

ーどんな人にボランティアをして貰いたい?
「動物に対して、無償の”愛”を与えてあげられる人。それから、約束を守れる人ですね。動物に対して見返り、例えば愛情を与える代わりに癒しを求める人とは一緒に活動できないです。」

ー約束守るのは当然ですので分かります。無償の愛というのは具体的にはどんなもの?
「例を挙げると、動物でも高齢化するんですよ。そんな高齢化して寝たきりになってしまった動物って、人間でも同じですけど面倒を見るのは大変なことなんです。癒しどころではないですよね。それでも愛情を与えてあげられる人、そんな人に集まってもらいたいです。」

ーボランティアの募集地域が「名古屋市、東大阪市」になっている。
「今住んでいるのが名古屋で、シェルター建設予定地が東大阪だからです。私、生まれも育ちも東大阪で、実家もあるんですが、子供のころから東大阪でシェルターを作ることをずっと目標にしてきたから、だから今住んでいる名古屋だけじゃなく東大阪にもボランティアさんにいてほしいんです。」

ー最初に会ったときに、身分証明書を見せて欲しいと言われたが。
「自分の身分を明かせない人に動物を任せられないからです。」

ブログ記事を執筆する永岡代表 iPhoneを使って投稿している

永岡は、たとえボランティアであってもきちんと身分を明かしてくれる人にお願いしたいと考えている。逆に言うと、どんなに華麗なテクニックを持っていようと身分を明かさない匿名の立場の人とは一緒にやっていけないだろうと考えているのだ。

この考え方は、実は永岡の信条に基づいていることを後になって知ることになる。

永岡は、自分が保護した野良猫に里親希望者が出てきた場合、実際にその希望者の人と会った上で、更に印象だけで判断せず、自宅を必ず訪問させて貰ってから里親に出す決断をするのだという。

信用して自分の大切なものを預けることができるかどうかは、自分で直接見て判断する。それが人の話であっても猫の話であっても、永岡にとっては同じなのだ。そのための一つの指標が身分証明書の提示。提示して「身分を隠匿していない」ことを示す行為自体が大切で、身分証明書に書かれている、いわゆる「個人情報」は永岡は大して見ていないことも、後になって判明した。

通常身分証明書の提示は本人確認のために行うものだ。記載されている内容が正しいかを見て、写真照合で本人かどうかを見極める。場合によってはコピーを取ることすらある。筆者の場合、免許証の写真は今より25kg太ってた時のもので、誰が見ても「別人」の写真なのだが、永岡はそれに気が付いていなかった。

ボランティアを始めてかなり経った後、何かの折に偶然免許証を見せる流れになったことがあり、その時に私の免許証の写真を見て「全然別人!」と驚いたのである。そう。永岡は最初に厳密な本人確認をするつもりで免許証提示をお願いなどしていなかったのだ。

免許証を提示して、自称していた名前と免許証に書かれている名前が一致している程度で、永岡にとっての信頼できる人かどうかの最初の判断関門はクリアしてしまうのである。要するに身分を隠匿する仕草の有無を判断しているだけなのだ。無論、永岡本人も私に免許証を提示したことはお伝えしておく。

最終目標は保護猫シェルター建設 必要資金1億円

永岡はボランティア募集要項に、「長年の想いの詰まった、保護猫シェルターを建設する」という言葉を書き込んでいる。野良猫を保護する時、永岡に限らず同じような活動をしている人は通常自宅に連れて帰る。ところが、生活基盤でもある自宅では保護できる猫のキャパシティに限界があり、限界を迎えている時には新たに保護したい野良猫を見つけても保護できないジレンマに陥るのだという。

野良猫をゼロにしたい。そのためにはキャパシティの大きな保護施設が必要だ。永岡にとっての野良猫ゼロは長年の目標で、その解決策として考えているのが自ら建設する保護猫シェルターなのだ。

ー活動を通じて最終的には保護猫シェルター建設という目標がある。そもそもシェルター建設にはいくら必要なのか?
「上を見たらキリがないですよ(笑)。でも、まずは最低1億円は必要ですね。シェルターを建設した後の運営も考えたら2億、3億は必要だろうと考えています。そう聞くとびっくりするような金額だと感じる方が多いと思いますが、動物を助けようと思えばそれ相応の覚悟、具体的には費用のことになるんですが、それが必要なんです。中途半端な金額では運営が立ち行かなくなった時に保護している動物たちはどうなるのって話なんです。もしそうなったら本末転倒じゃないですか。やるからには徹底的にやる。そのために必要な金額は決して安い金額にはなりません。どうぶつ王国を作った坂上忍さんでも何億と投資しているので、2億、3億というのは決して法外な費用ではないんです。」

ークラウドファンディングでのプロジェクトの審査は通っている、と。
「審査に通ったプロジェクトは、動物保護施設と多頭飼育が可能な人が居住するための複合施設です。今の日本だと、一戸建て以外、つまり分譲マンションだったり賃貸マンションやアパートってペット可なところはありますが、匹数に上限があったり、大型犬は大型犬OKのところでないと飼えないんですね。そういう制限のない賃貸の居住施設を作りたいんです。保護している動物を飼ってもらったりできるようにすることで私たちにとっては里親探しもできます。動物を飼いたい人にとっては、その施設であれば気兼ねなく動物と暮らせます。お互いWIN-WINの関係が目指せます。
それから、これは私がずっと思っていたことなんですが、『一戸建てを買わなくても賃貸に住んでいても動物をできるだけ保護することができる環境の提供』。こういうことができる物件は今はないので、私が作りたいと思っています。」

ーシェルターを建設したら、当然シェルター運営の話に続くが。
「最終的には法人として賃貸家賃の収入や、犬のオーダーメイドの服といった物販での収入での運営を考えています。」

ーシェルター運営後も協力を表明してくれている獣医師の先生の存在は大きいですね。
「昔からお世話になっていた、獣医師の濱口先生から協力しますよというありがたいお言葉をいただいていますので、保護施設の専属獣医師として動物の診察やアフターフォロー、保護した動物の避妊・去勢手術もお願いしたいと思っています。」

永岡には、動画やウェブサイト、SNSで情報発信した先にあるものの青写真が描けている。

活動の先に見据えている、そこにあるもの

一緒に楽しく活動していきましょう
私たちと一緒に楽しく活動していきましょう

動物保護活動、とりわけ捨て猫の保護という主題しか表向き見えないボランティア活動だが、永岡が見ているものはその先にある、野良猫ゼロの社会を目指すというとてつもなく大きな目標なのだ。

目標が大きいだけに、当然関わるボランティアとしても得るものが多いはずだ。
今はまだ絵に描いた餅に過ぎないが、ボランティアの数が増えて活動内容に幅が出てくると、ボランティアスタッフ各個人にも間違いなく「今までとちょっと違うあした」がやって来るだろう。いや、やってくるに違いない。そんな期待を永岡は私たちボランティアスタッフに抱かせてくれるのだ。

ボランティア活動の先にある、「今までとちょっと違うあした」に魅力を感じたなら是非「野良猫保護活動団体Catia」に参加して欲しい。


ボランティアはボランティア情報サイトのactivoと掲示板のジモティーで募集している。外部サービスにはなるが、個別にメッセージのやり取りが可能なため募集のためのプラットフォームとして利用している。是非活用していただきたい。

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